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■現状と課題(前期基本計画までの成果を踏まえて)
本市の下水道整備は、木津川流域関連公共下水道として昭和58年に着手し、平成2年4月 から一部供用開始を行い、平成19年度事業をもって市内のほぼ全域の整備を終えたことによ り、平成22年度末の人口普及率※は98.9%、これに対する水洗化率※は87.5%に達し ており、市民の満足度も高いものとなっています。
公共下水道については、市民が健康で快適な文化的生活を営むうえで不可欠な施設であり、 供用開始地域における水洗化を促進する必要があります。
経理や財政状況をより明確にするため、平成20年4月から地方公営企業法の全部適用を行 い、独立採算をめざした企業会計への移行を行いましたが、早期整備を最優先に進めてきたこ となどに起因して多額の企業債残高を抱えており、下水道財政は、当面、赤字が継続し非常に 厳しい状況です。健全な経営を行うためには、市民等への意識啓発により、さらなる水洗化率 の向上や維持管理体制の充実とともに、より一層の経営の効率化と健全化を図る必要がありま す。
■基本方針
○全ての家庭や事業所などへの下水道の接続により、生活排水の適正な処理をめざします。 ○長期的視点に立った下水道施設の維持管理と健全な事業経営をめざします。
■まちづくり指標
まちづくり指標名 説明 (平成22年度)現状値 (平成28年度)5年後の目標 めざすべき目標 単位
公共下水道の人口普 及率
処理区域内人口/行政
区域内人口 % 98.9 100 100 公共下水道の水洗化
率
水洗化人口/処理区域
内人口 % 87.5 100 100
■主な施策の展開
(1)公共下水道の整備
公共下水道の整備は、市内のほぼ全域を終えていることから、今後は水洗化率の向上を図 るため、さらに使用者への普及・啓発に努め、融資あっせん制度の活用などによる接続促進 を行います。また、未接続企業に対しても部分逓減制の使用料体系を活用し、加入促進を行 います。
第6節 下水道の整備を進め生活環境の向上を図る
基本計画 第2章/快適なまちづくり
基本計画 第2章
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(2)公共下水道等の適正な維持管理
下水道施設の維持管理計画に基づき、下水道管などを計画的に更新します。また、民間企 業における適正な排水処理の指導を徹底します。
(3) 下水道事業の健全な経営の推進
下水道事業は、企業会計に移行したことにより、経理や財政状況がより明確となりました。 独立採算を基本とした経営を念頭におき、水洗化率の向上により基幹収入である使用料の増 収を図るとともに、長期的視野に立った財政計画を策定し、早期の黒字転化をめざした健全 な経営に努めます。
■市民まちづくりワークショップからの提言(平成18年)
市民の役割(例示)
○下水道整備地区において、速やかに決められた期限に下水道に接続する。 ○応分の負担の原則に基づき、下水道使用料金を速やかに支払う。
○家庭・事業所から、有害物質などの汚れのひどい汚水を排水口に流さない。 ○水の大切さを学習し、家庭内の環境教育に努力する。
○節水、有害物を排出しないなど、排水配慮に努力する。 ○環境にやさしい洗剤を使用する。
○事業所は決められた排出処理を厳守する。
■PR施策
○料金体系の変更
公共下水道事業の経営の健全化に向けた増収対策として、平成23年10月1日から従 来の「使用する量に応じ1㎥当たりの単価が高くなる使用料体系」を「一定量以上使用す ると1㎥当たりの単価が安くなる使用料体系」に変更し、大口使用者の加入促進に努めて います。
下水道未接続の一般家庭等への接続促進や大口使用者の公共下水道加入により、安定し た公共下水道事業経営をめざしています。
【用語説明】
※人口普及率:行政区域内の人口に対する、処理可能区域内の人口の割合。下水道を使用 できる状態にある人口比率のことで、実際に使用している人口の比率ではない。
※水洗化率:処理可能区域の人口の中で、実際に公共下水道に接続し、使用している人口 の比率。
基本計画 第2章/快適なまちづくり
基本計画 第2章